春菊の基礎知識

 

「お鍋」のイメージが強い野菜と言えば春菊です。春菊(シュンギク)は、キク科シュンギク属の植物で、地中海沿岸が原産地とされています。花は春に咲き、葉の形が菊に似ているので「春菊」と名づけられています。

 

もともと春菊はヨーロッパでは観賞用なのですが、最近の和食ブームの影響からか、徐々に洋食の料理にも使われてきています。パスタや肉料理の付け合せなどにも春菊が登場しています。

 

逆に日本では食用としてのイメージが強いので、花のことについてはあまり知られていないようです。実際はきれいな黄色の花がつき、葉に切れ込みの少ないのが大葉(おおば・四国・九州では「おたふく」・「ろーま」とも呼ぶ)で、切れ込みがしっかりあるのが中葉(ちゅうば)となります。更に中葉は「株立ち型」、「株張り型」に分かれます。葉や花の形と香りから、関西では「菊菜・きくな」と呼ぶことも多く、「新菊・しんぎく」という表記もあります。いずれにしても「菊」のイメージがついてまわっています。

 

春菊が普通に食用となっているのは東アジアだけなのですが、独特の香りのある葉と茎は美味しくて、ビタミン・カルシウム・葉緑素など栄養素も豊富に含まれています。

 

鍋料理(すき焼き・ふぐ鍋など)の具材としては定番であり、他にも天麩羅のネタにもなり、生でサラダにも使われます。立ち食いそば・うどん店では「春菊天」が定番メニューにもなっています。

 

味が産地によって違うのも春菊の特徴で、東京産の春菊は苦く、広島産は甘い、というような感じです。大阪府などでは都市の付近でも栽培されています。